でっちあげを見抜く!情報リテラシー徹底解説
でっちあげを見抜く!情報リテラシー徹底解説
情報リテラシーLabo所長のナミです。元Webメディア編集ライターとして10年活動してきた経験から、私は情報の真偽を見極めることの重要性を痛感しています。特にSNSやニュースサイトで日々膨大な情報に触れる中で、「これって本当なの?」と疑問に感じた経験は、皆さんにもあるのではないでしょうか。
世間を騒がせる事件や芸能スキャンダル、さらには根拠のないデマまで、真偽不明な情報が溢れる現代社会。何が事実で何が嘘なのかを見分けられず、不安に感じる方も少なくないでしょう。誤った情報に踊らされて不利益を被る前に、私たち一人ひとりが「確かな目」を養うことが今、求められています。
- 「でっちあげ」の定義と、フェイクニュースとの違いがわかります
- 情報の裏側に隠された「でっちあげ」を見抜く具体的な方法が身につきます
- もし虚偽情報に遭遇した場合の、適切な対処法が明確になります
- 信頼できる情報とそうでない情報を見分ける力が向上し、情報に振り回されなくなります
- 情報リテラシーを高め、デジタル社会を賢く生き抜くヒントが得られます
「でっちあげ」とは?その定義と多様な形
まず、「でっちあげ」という言葉の基本的な意味を正確に理解することから始めましょう。私たちの周りには様々な形で虚偽の情報が飛び交っていますが、それらがどのように分類されるのかを知ることは、情報の真偽を見極める第一歩となります。
「でっちあげ」の基本的な意味と類語
「でっちあげ(捏造)」とは、事実ではないことを、あたかも真実であるかのように作り上げること、またはその作り上げた物事を指します。嘘や偽りを事実のように仕立て上げ、人々に信じ込ませようとする行為ですね。私が新人ライター時代に誤報を出しそうになった経験から、この「でっちあげ」がいかに恐ろしいものかを痛感しました。
この言葉には、以下のような類語があります。
でっちあげの類語
- 捏造(ねつぞう):事実でないことを事実のようにこしらえ上げること。
- 故造(こぞう):ないことをあるように作り出すこと。
- 歪曲(わいきょく):事実や物事を意図的にねじ曲げて伝えること。
- 捻じ曲げ(ねじまげ):事実を自分の都合の良いように変えること。
- 改竄(かいざん):文書やデータなどを不正に書き換えること。
- 偽装(ぎそう):本物ではないものを本物のように見せかけること。
これらの言葉からも、「でっちあげ」が悪意や意図的な欺瞞を伴う行為であることがわかります。
フェイクニュースとの関係と様々な種類
最近よく耳にする「フェイクニュース」も、広義では「でっちあげ」の一種と言えます。フェイクニュースとは、意図的に作られた不正確な情報や、誤解を招くような内容のニュース全般を指すものです。その目的は、世論操作や特定の意見への誘導、あるいは単なるクリック数稼ぎなど、多岐にわたります。
フェイクニュースの種類
- 意図的に不正確なストーリーを作成・公開するもの(世論操作やトラフィック誘導目的)
- 真実の要素を含むが大部分が不正確なストーリー(事実確認不足や誇張)
- クリックベイト(読者の好奇心を煽り、クリックを誘うための釣り見出し)
- プロパガンダ(特定の思想や主張を広めるための情報)
- 低品質なジャーナリズム(確認が不十分な情報や一方的な報道)
- 誤解を招く見出し(内容と合わない、あるいはミスリードする見出し)
- 詐欺コンテンツ(不正な利益を得るための情報)
- 風刺やパロディ(ユーモア目的だが、事実と誤解される可能性もある)
「フェイクニュース」と一括りにされがちですが、その中にはこれほど多くの種類が存在するのですね。それぞれの手口を知ることは、情報の裏側を見抜く上で非常に役立ちます。
誤情報、偽情報、悪情報の違い
さらに、情報の性質を理解するために、以下の3つの概念を区別することが重要です。
| 用語 | 定義 | 特徴 |
|---|---|---|
| 誤情報(Misinformation) | 事実を誤って伝える情報 | 悪意はないが、結果的に間違いを広げてしまう |
| 偽情報(Disinformation) | 特定の目的のために悪意を持って作られ、拡散される虚偽の情報 | 人を騙したり、特定の行動を誘導したりする意図がある |
| 悪情報(Mal-information) | 真実の要素を含むが、悪意を持って使用される情報 | 個人のプライバシー侵害や誹謗中傷など、他人を傷つける目的がある |
特に「偽情報(Disinformation)」は、まさに「でっちあげ」の核心と言えるでしょう。これらは意図的に私たちを欺き、世論を操作しようとするため、最も注意が必要な情報なのです。
なぜ人は「でっちあげ」に惑わされるのか?心理的背景
私たちはなぜ、「でっちあげ」やフェイクニュースに騙されやすいのでしょうか。そこには現代社会特有の状況や、人間の心理的な側面が深く関わっています。
現代社会における情報の波と「情報オーバーロード」
皆さんもSNSやニュースサイトを開くと、あっという間に膨大な量の情報が流れ込んでくることに気づいているのではないでしょうか。総務省の調査(令和5年度)によると、日本のインターネット利用頻度は「ほぼ毎日」が9割を超え、偽・誤情報に接することの多い情報源はSNSが最も高いという結果が出ています。参照:総務省「令和5年度国内外における偽・誤情報に関する意識調査」
認知バイアスと感情が真偽判断に与える影響
私たちが情報に接する際、無意識のうちに判断を歪める「認知バイアス」が働いていることをご存知でしょうか。例えば、「自分が見たい情報、信じたい情報」を選んでしまう傾向(確証バイアス)は、でっちあげに騙される大きな要因の一つです。脳科学者の中野信子氏は、「ウソのほうを心地よく感じ、フェイクのほうを美しく見てしまうのが、私たちの脳の性質」だと述べています。
でっちあげに騙される心理的要因
- 認知バイアス:信じたい情報、共感できる情報を優先してしまう。
- 感情的な反応:ニュースの見出しや内容が感情に強く訴えかけることで、真実性を深く検証しなくなる。
- 錯誤帰属:どこで見たかは覚えていないが、どこかで見たことは覚えているという記憶の曖昧さが、偽情報の信憑性を高めてしまう。
特に「誰かに教えたい」という感情や、強い感情に訴えかける内容は、拡散されやすい傾向にあるのです。事実のニュースよりも、政治関連や陰謀論のフェイクニュースのほうが拡散されやすいという調査結果(日本におけるフェイクニュースの実態調査)もあります。
SNSのアルゴリズムが引き起こす情報の偏り
SNSのアルゴリズムは、私たちが普段「いいね」したり、クリックしたりする情報に基づいて、似たような情報を優先的に表示する仕組みになっています。これは便利な反面、自分の興味関心に沿った情報ばかりが表示され、異なる意見や客観的な情報が届きにくくなる「フィルターバブル」や「エコーチェンバー」と呼ばれる現象を引き起こす可能性があります。
このような情報の偏りは、特定のでっちあげやデマが信じられやすくなる土壌を作ってしまうことにもつながります。自分では気づかないうちに、視野が狭くなり、偏った情報に囲まれている可能性があると意識することが大切です。
「でっちあげ」を見破る!実践的な情報源チェック術
では、具体的にどうすれば「でっちあげ」を見破り、確かな情報にたどり着けるのでしょうか。私たちがWebメディアで常に実践してきた情報源のチェック術をご紹介します。
信頼できる情報源を見極める「か・ち・も・な・い」の原則
情報を判断する際に役立つ5つのシンプルなチェックポイントがあります。頭文字をとって「か・ち・も・な・い」と覚えてみてください。
情報の信頼性チェック「か・ち・も・な・い」
- か:書いたのは誰か?(情報発信元は信頼できるか)
- ち:違う情報と比べたか?(複数の情報源で比較したか)
- も:元ネタ(根拠)は何か?(一次情報に遡れるか)
- な:何のための情報か?(発信者の意図や目的は何か)
- い:いつの情報か?(情報は最新か、更新されているか)
このチェックリストを意識するだけでも、情報の真偽を見極める力が格段に上がります。
複数の情報源と一次情報を確認する重要性
情報リテラシーLaboでは、常に「権威性」と「信頼性」を重視しています。そのためには、一つの情報源だけを鵜呑みにせず、複数の信頼できる情報源と照らし合わせることが不可欠です。ニュースサイトだけでなく、公的機関の公式サイト、専門家の論文、報道機関の異なる視点の記事などを比較検討しましょう。
さらに重要なのが、「一次情報」の確認です。例えば、あるニュース記事が「〇〇省の発表によると…」と書かれていたら、直接〇〇省の公式サイトに行ってその発表内容を確認する。これが一次情報の確認です。引用や伝聞による情報ばかりでは、元の情報が途中で歪められている可能性も否定できません。
発信者の意図や画像の真偽にも目を向ける
情報の真偽を判断する際には、その情報が発信された動機やバイアスを考慮することも大切です。「この情報で誰が得をするのだろう?」「誰が損をするのだろう?」という視点で冷静に見直すと、発信者の真の意図が見えてくることがあります。
また、画像や動画の真偽確認も欠かせません。特に災害時などには、過去の画像が「現在の状況」として拡散されるケースが後を絶ちません。Google画像検索の逆引き機能や、ファクトチェック機関のサイトなどを活用して、画像が本物か、いつ撮影されたものかを確認する習慣をつけましょう。
もし「でっちあげ」に遭遇したら?適切な対処法
残念ながら、どんなに注意しても「でっちあげ」に遭遇する可能性はゼロではありません。もしそうした情報に直面してしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
安易な拡散を防ぐ!情報の健全性を保つ行動
最も重要なのは、自分で確証を持てない情報を安易に拡散しないことです。偽情報(Disinformation)は、私たちの手によってさらに広まってしまいます。総務省の調査では、政治関連や陰謀論のフェイクニュースは、事実のニュースよりも拡散されやすい傾向にあることが指摘されています。
確証のない情報は「シェアしない」が原則
「もしかしたら本当かも」「みんなが言っているから」といった安易な気持ちで拡散してしまうと、結果的に偽情報の拡散に加担することになります。真偽の判断に迷ったら、そのままにして「待つ」姿勢も、現代においては非常に賢明な選択と言えます。
WHOが2020年に「インフォデミック(infodemic)」と名付け、世界に警鐘を鳴らしたように、情報の誤った急速な広まりは、社会全体に大きな悪影響を及ぼす可能性があります。
ファクトチェック機関の活用と相談窓口
疑わしい情報の真偽について、自分一人で判断が難しい場合は、専門のファクトチェック機関の力を借りるのが有効です。日本には、メディアが検証した情報を公開している「ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)」のような公的団体があります。参照:ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)
これらのサイトを定期的にチェックすることで、世間で拡散されているデマや偽情報について、専門家による検証結果を知ることができます。また、インターネット上の誹謗中傷や人権侵害に関する相談窓口として、法務省の人権相談窓口や、インターネットホットラインなどもありますので、いざという時には活用を検討しましょう。
誹謗中傷・名誉毀損への法的対処
もし、でっちあげや虚偽の情報によって、あなた自身やあなたの周りの人が誹謗中傷を受けたり、名誉を傷つけられたりした場合は、泣き寝入りする必要はありません。専門家である弁護士に相談し、名誉毀損や業務妨害などで訴えることが可能です。
SNSでの匿名の発信であっても、発信者情報開示請求を行うことで、相手を特定し、法的責任を追及できるケースが増えています。デジタル空間における情報流通の健全性確保は、総務省も検討を進めている重要な課題です。
まとめ:確かな目で情報の波を乗りこなすために
現代は情報が溢れ、「でっちあげ」が巧妙化する時代です。しかし、私たちが情報リテラシーを高めることで、情報の波を賢く乗りこなすことが可能になります。情報リテラシーLabo所長として、皆さんが「確かな目」を養い、デジタル社会を自信を持って歩んでいけるよう、改めて大切なポイントをお伝えします。
- 「でっちあげ」は意図的な虚偽情報であり、フェイクニュースの一種である
- 誤情報、偽情報、悪情報の違いを理解することが重要である
- 現代社会の情報過多が、人の判断力を低下させる要因となる
- 人間の認知バイアスや感情が、でっちあげを信じやすくさせる
- SNSのアルゴリズムが情報の偏りを生み出す可能性がある
- 情報の真偽を見極めるには「か・ち・も・な・い」の原則が役立つ
- 発信元を確認し、複数の情報源や一次情報と照らし合わせる
- 情報発信者の動機やバイアス、画像の真偽も考慮する
- 確証のない情報は安易に拡散せず、情報の健全性を守る
- ファクトチェック機関や専門の相談窓口を積極的に利用する
- 誹謗中傷や名誉毀損には法的対処も選択肢に入れる
- 情報リテラシーは現代を生き抜くための必須スキルである
- 常に学び続け、情報の「波」を賢く乗りこなす力を養う
「でっちあげ」に関するよくある質問(FAQ)
Q1: 「でっちあげ」と「嘘」は同じ意味ですか?
A1: 「嘘」は事実ではないことを伝える行為全般を指しますが、「でっちあげ」は特に、意図的に事実ではないことを本当らしく作り上げ、あたかも事実であるかのように見せかける行為や、その虚偽の物事を指します。つまり、「でっちあげ」は悪意や目的性を持った、より計画的な「嘘」と言えるでしょう。
Q2: SNSででっちあげの情報を拡散してしまった場合、どうなりますか?
A2: 意図的でなかったとしても、虚偽の情報を拡散することは、デマの被害を拡大させる可能性があります。もしそれが他者の名誉を毀損したり、業務を妨害したりする内容であれば、情報発信者だけでなく拡散者も法的責任を問われる可能性があります。速やかに投稿を削除し、必要であれば訂正・謝罪を行うなど、適切な対応が求められます。
Q3: でっちあげの被害に遭った場合、どこに相談すれば良いですか?
A3: 誹謗中傷や名誉毀損を伴うでっちあげの被害に遭った場合は、まず弁護士に相談することが最も確実な方法です。また、インターネット上の人権侵害に関する相談窓口として、法務省の人権相談窓口やインターネットホットラインセンター、SNS事業者への報告なども活用できます。
Q4: 情報リテラシーを高めるには、他にどんな方法がありますか?
A4: 総務省などが提供する情報リテラシー向上のための教材やオンライン講座を活用することが有効です。また、日頃から多様な視点を持つメディアに触れる、信頼できる専門家の意見を参考にする、そして何よりも「なぜ?」という疑問を持つ習慣をつけることが大切です。現代の基礎教養として、学びを続ける姿勢が求められます。